廃止になります:函館での戻らないレンタル傘の話題にウェブの反響が続々[2017/6/19更新]

JR函館駅のレンタル傘スタンド

今回反響を集めたのはこの記事。要約すると、今年3月からはじめた観光客向けの無料傘レンタル事業で、用意した1500本のうち約1100本が戻らず、このままでは事業継続的に深刻な問題になりそう、と。

この無料傘レンタル事業スタート時の報道が函館新聞の2016/3/12の記事で、事業主体は函館市や函館商工会議所による「北海道新幹線新函館開業対策推進機構」。おもてなし向上を図るとして主に観光客向けを視野に事業をスタート。函館市内交通拠点6施設10カ所で、傘に「函」のロゴマークシール。説明パネルは多言語対応。

2017/7/14更新
下のまとめの中でも紹介しているダイドードリンコが、函館でも無料傘レンタルを開始するとのリリースと報道が出ています。函館市内では最大40台の自販機で無料傘を展開するとのこと。

2017/6/19更新
函館では廃止となりましたが、民間企業が手掛けて成功している例が記事になっていました。ダイドーの例は本記事内でも過去に拾ったことがありました。現在でも優秀なまま継続しているんですね。

2017/3/23更新
戻らない無料レンタル傘の事業、廃止になるとのこと。そういうオチになったかぁ。有効な対策打てないまま、補充が間に合わず傘が日々減って行ってたんですね。この3月で解散になる運営組織「北海道新幹線新函館開業対策推進機構」の区切りもあって、先の見えない事業を清算した感じのようです。

以下は話題になった2016年6月当時のコンテンツです

今回、この傘が戻らない話題がYahoo!ニュースで露出したためか、いつも以上に注目を浴びたようだ。はてなブックマークのコメントでもなかなか厳しいツッコミが入っている。
また、今回の函館の傘レンタルの話題を取り上げたJ-CASTニュースの記事「裏切られた「傘」無料貸出の善意 「1100本戻らず」に怒りの声VS「普通戻ってこない」」によると、同様の傘レンタル事業を行う他地域でも同様の悩みを抱えている模様で、千葉県鎌ケ谷市でも返却率は2~3割とのこと。
また、RecordChinaによると海を越えて香港系のメディアからも注目を浴びているよう。Facebookでの某ユーザーの話ではヨーロッパ某メディアからも取材があったとのこと。

民間企業の取り組みはユーザー想定とノウハウ蓄積が一段上

一方、ダイドードリンコが自販機への設置を軸に同様の傘レンタルサービスを昨年10月から3ヶ月間試験的に大阪市内で始めていて、今後地域を拡大するとのこと。
同様の苦労があるのでは?と思われる中でwithnewsが行ったダイドー担当者への直近の取材によると、設置場所やユーザー層の違いによる利用率や返却率の違いや使い勝手など、試験期間を経て細かなノウハウを蓄積しつつある模様。また忘れ物の傘も活用するなどリサイクル面での配慮も見せたりと、函館の事例より中身が一段上な印象。

継続に向けてどう向上していく?

あちこちでの指摘や事例、ツッコミを見ていると「返却率想定の再検討」「返却場所などの使い勝手」「持ち帰り予防を兼ねた広告挿入などデザインアイデア」あたりが継続にあたっての改善項目になりそう。

設置・返却場所の増加や回収工程の検討(6箇所では少ない。市内各店への回収協力呼掛けなど)、対策費用のための広告募集とシールデザイン(要返却品という明示をさらに盛り込む。周囲に恥ずかしくならない程度の明示、使用者に見えるよう両面印刷シール化など)などなど、大掛かりな費用がかからない範囲でもいくつか対策が思いつきそう。
もう少し踏み込んで、返却協力に対しての何らかの感謝を含めたサイクルを構築できれば、観光体験や中心市街地滞在と善意、交通インフラのループが形作れるのかも。

函館市にて実施中の傘レンタル事業、このまま終わっちゃダメですよ。

戻らなかった傘の行方(6/22追記

北海道新聞6/22の取材記事。

これによると函館市内の主要宿泊施設(88件)に確認依頼したところ35本程度しか見つからなかったと。また、マイカー通勤が多い函館の事情で傘の忘れ物が少なく、それらを活用してコストダウン&リサイクルも難しい、と。傘調達費はシール費用込みで1本400円。

発見数が少なすぎますね。先日も函館市内の飲食店「kumakichi食堂」さんで1本あったとブログに書いていて無事回収されたようですが、まだ他にそういった話はあまり見かけません(探してみます)。利用者の皆さんは傘をどうしちゃったんでしょうね。旅行者がお持ち帰り、とか?
それなりの人数の函館市民がお持ち帰りしたとすると何れ観光地以外で捨てるだろうし、本数が本数なので、ゴミ回収とか遺失物の関連で各方面から目撃証言が出てきそうな気がしますね。

改善しない返却数(7/4追記

7/4朝のNHK北海道のニュースで取り上げられていました。(NHK北海道に掲載されました)その中で、6/30現在で1,480本のうち1,205本が返却されていないとのこと。当初の報道時の1,100本から数字上まったく改善していない、むしろ少し悪化しているんですね。
少し悪化しているあたり利用マナー以外の問題を伺わせますが、幾度も報道されている中でコレって、現状が知られてかつ呼びかけても返却されないということでしょうか。だとすると、呼びかけが届く範囲に未返却の利用者がほとんどいないのでは?
(もはや返せない場所、返しにくい場所にいる。又は大半が既に捨てた)

この話題に関連して、七重浜のゲストハウス「函館クロスロード」オーナーのブログで、旅人が置いていった傘の中に1本レンタルの傘があり返却しにいった中で返却場所や事業概要を見ての感想を書いています。


  • 全般加筆修正 2016/6/10
  • 一部文字修正 2016/6/21
  • 加筆 2016/6/22
  • 写真を追加しました 2016/6/23
  • 新たな報道があったので追記しました 2016/7/4
  • ゲストハウスオーナーによる言及ブログ記事があったので追記しました 2016/7/5